任何事都是可能的。
人可以一瞬之间飞跃于冰云之上,随着大循环之风去北方旅行,也可以伏在红色花环下,与蚂蚁交谈,就连犯下的过错和难以言喻的悲哀,在这里也会变得圣洁。
这里所讲述的故事,都是树林、原野、铁道线、彩虹和月光所赐予的:茂密的森林、风与影、夜来香、奇妙的都市、延伸至白令市的电线杆的行列……实在是一个奇异的乐园。
宫泽贤治用他短暂的37年生命,留给世人足以流传千年的经典童话。这位“代表日本的国民作家”,活着的时候,因为他的童话有着“太过强烈的个性”而遭到拒绝,仅仅自费出版了一部童话集,而且连一本也没有卖出去。死去之后,他因为这些无与伦比的童话作品而获得巨大的“重生”。
上期回顾
【日本文学】猫的事务所(01)
「そう、で、向うでの有力者はどんなものだろう。」
「三番書記、ベーリング地方有力者の名称を挙げよ。」
「はい、ええと、ベーリング地方と、はい、トバスキー、ゲンゾスキー、二名であります。」
「トバスキーとゲンゾスキーというのは、どういうようなやつらかな。」
「四番書記、トバスキーとゲンゾスキーについて大略を述べよ。」
「はい。」四番書記のかま猫は、もう大原簿のトバスキーとゲンゾスキーとのところに、みじかい手を一本ずつ入れて待っていました。そこで事務長もぜいたく猫も、大へん感服したらしいのでした。
“原来如此。那么,那边的地方当权者是谁?”
“三号秘书,说几个白令地区的当权者姓名。”
“是。白令地区的话,有托巴斯基、源佐斯基,这两位。”
“托巴斯基和源佐斯基是什么样的家伙呢?”
“四号秘书,大致形容一下托巴斯基和源佐斯基。”
“是。”四号秘书灶猫早已翻到笔记本中关于托巴斯基和源佐斯基的部分,两只短手分别插在相应页面等候着。所长和奢华猫见状都十分佩服。
ところがほかの三人の書記は、いかにも馬鹿にしたように横目で見て、ヘッとわらっていました。かま猫は一生けん命帳面を読みあげました。
「トバスキー酋長、徳望あり。眼光炳々たるも物を言うこと少しく遅し ゲンゾスキー財産家、物を言うこと少しく遅けれども眼光炳々たり。」
「いや、それでわかりました。ありがとう。」
ぜいたく猫は出て行きました。
另外三位秘书却像看傻子似地横它一眼,轻蔑地笑了。灶猫十分认真地读着笔记:
“托巴斯基酋长,德望甚高,目光炯炯,说话时语速较慢;源佐斯基财主,说话时语速较慢,目光炯炯。”
“情况我基本了解了。谢谢。”
奢华猫说完便离开了。
こんな工合で、猫にはまあ便利なものでした。ところが今のおはなしからちょうど半年ばかりたったとき、とうとうこの第六事務所が廃止になってしまいました。というわけは、もうみなさんもお気づきでしょうが、四番書記のかま猫は、上の方の三人の書記からひどく憎まれていましたし、ことに三番書記の三毛猫は、このかま猫の仕事をじぶんがやって見たくてたまらなくなったのです。かま猫は、何とかみんなによく思われようといろいろ工夫をしましたが、どうもかえっていけませんでした。
たとえば、ある日となりの虎猫が、ひるのべんとうを、机の上に出してたべはじめようとしたときに、急にあくびに襲われました。
以这样的方式,第六事务所也算为猫们提供了方便。然而就在刚才那件事刚好过去半年的时候,第六事务所就被停业了。究其原因,读者们大概已经察觉到了吧,前三位秘书非常讨厌四号秘书灶猫,特别是三号秘书三毛猫,很想把灶猫的工作抢过来自己干。灶猫虽然也努力想办法让大家接受它,但最终还是失败了。
例如,有一天,灶猫身旁的虎皮猫拿出午餐的便当摆在桌上正要开吃,突然倦意袭来,让它打了个呵欠。
そこで虎猫は、みじかい両手をあらんかぎり高く延ばして、ずいぶん大きなあくびをやりました。これは猫仲間では、目上の人にも無礼なことでも何でもなく、人ならばまず鬚でもひねるぐらいのところですから、それはかまいませんけれども、いけないことは、足をふんばったために、テーブルが少し坂になって、べんとうばこがするするっと滑って、とうとうがたっと事務長の前の床に落ちてしまったのです。それはでこぼこではありましたが、アルミニュームでできていましたから、大丈夫こわれませんでした。そこで虎猫は急いであくびを切り上げて、机の上から手をのばして、それを取ろうとしましたが、やっと手がかかるかかからないか位なので、べんとうばこは、あっちへ行ったりこっちへ寄ったり、なかなかうまくつかまりませんでした。
虎皮猫用尽全力伸展两只短手,打了个很大的呵欠。这在猫群之中并不算无礼的举动,相当于一个人伸手捻胡须一样,没什么大不了。可糟糕的是,它双脚用力过猛,桌子一角倾斜成小山坡,便当盒滋溜溜地下滑,哐当一声掉落在所长跟前的地面。虽然被摔得坑坑洼洼,好在盒子是铝制的,没被摔坏。虎皮猫立刻停下打呵欠的动作,从桌上伸手想捡起便当盒,当它的手一碰到盒子,盒子就忽左忽右地滑动,始终难以抓住。
「君、だめだよ。とどかないよ。」と事務長の黒猫が、もしゃもしゃパンを喰べながら笑って云いました。その時四番書記のかま猫も、ちょうどべんとうの蓋を開いたところでしたが、それを見てすばやく立って、辨当を拾って虎猫に渡そうとしました。ところが虎猫は急にひどく怒り出して、折角かま猫の出した辨当も受け取らず、手をうしろに廻して、自暴にからだを振りながらどなりました。
「何だい。君は僕にこの辨当を喰べろというのかい。机から床の上へ落ちた弁当を君は僕に喰えというのかい。」
“你这样不行,捡不起来的。”所长黑猫沙沙地嚼着面包笑着说。这时,四号秘书灶猫也刚好打开便当盒,看到这一幕,它迅速起身,捡起地上的便当盒递给虎皮猫。
虎皮猫却突然勃然大怒,并不伸手去接灶猫递来的便当盒,它将手背在身后,用力晃动着身体大吼:
“什么意思!你是要让我把这个便当吃了吗!这个掉到地上的便当,你是要让我把它吃了吗?”
「いいえ、あなたが拾おうとなさるもんですから、拾ってあげただけでございます。」
「いつ僕が拾おうとしたんだ。うん。僕はただそれが事務長さんの前に落ちてあんまり失礼なもんだから、僕の机の下へ押し込もうと思ったんだ。」
「そうですか。私はまた、あんまり辨当があっちこっち動くもんですから…………」
「何だと失敬な。決闘を………」
「ジャラジャラジャラジャラン。」事務長が高くどなりました。これは決闘をしろと云ってしまわせない為に、わざと邪魔をしたのです。
“不是。我看你想捡盒子,所以帮你捡起来而已。”
“谁说我是要捡起来!我只是看它掉在所长面前,觉得这样很不礼貌,所以想把它移到我自己的桌下而已。”
“是吗?我只是看它不停地动来动去,所以......”
“真是没礼貌,来决斗吧——”
“吵吵闹闹像什么样子。”所长高声喊道。这是为了制止它们决斗而故意打断对话。
「いや、喧嘩するのはよしたまえ。かま猫君も虎猫君に喰べさせようというんで拾ったんじゃなかろう。それから今朝云うのを忘れたが虎猫君は月給が十銭あがったよ。」
虎猫は、はじめは恐い顔をしてそれでも頭を下げて聴いていましたが、とうとう、よろこんで笑い出しました。
「どうもおさわがせいたしましてお申しわけございません。」それからとなりのかま猫をじろっと見て腰掛けました。
みなさんぼくはかま猫に同情します。
“好了,别吵了。灶猫君并不是为了让虎皮猫君吃掉地上的便当才捡起来的吧。还有一件事,今天早上忘了说,从今天起虎皮猫君的月薪提高十钱。”
虎皮猫刚开始黑着一张脸,但也低着头在听所长的发言,听到最后,终于愉快地笑了。
“我为刚才引起的骚乱感到抱歉。”它说完瞪了身旁的灶猫一眼,坐了回来。
读者朋友们,我真是同情灶猫啊。
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