第一章ライターの秘密5(完) そこからの幸恵さんの行動は早かった。 知り合いの煙草屋さんに電話して、店主がたまたま近くで飲んでいたのですぐに店を...
第一章ライターの秘密4 夜になると流石に冷えてきた。 俺は例のパン屋が見えるところにいた。まだ八時には早い。まさかとは思うが、ここまで待って逃げ...
第一章ライターの秘密3 その女性は睦町に住んでるらしかった。 MAPで検索すると、南区の中村橋商店街付近。ここからなら余裕で自転車で行ける距離だ...
第一章ライターの秘密2 ベンさんの店から麦田町までは自転車ですぐだ。スナック『アムール』も俺の記憶が確かならそう遠くはない。だいたいのアタリをつ...
第一章ライターの秘密1 腹、減った……もう昼じゃねえか。 仕方なくもそもそと起き上がる。今日も天気がいい。太陽が眩しいくらいだ。 ここは間違いな...
第一章特ダネ、抜かれまして(5) 「今、我々はハゲタカの横暴によって、一時的ではあるが築いてきた地位を失っている。皆、どん底(どんぞこ)にいる気...
第一章特ダネ、抜かれまして(4) 麗らか(うららか)な春の午後の日差しが店内の観葉植物(かんようしょくぶつ)の葉を透かしている。窓の外に広がる隅...
第一章特ダネ、抜かれまして(3) 【富国通商、再生エネ事業に八千億円投資今後五年で】 <総合商社首位の富国通商《ふこくつうしょう》は、今後五年間...
第一章特ダネ、抜かれまして(2) 「こっちに他社は来ていません。今のところ輝川社長も出てきていないですぅ」 午前八時過ぎ。「敗戦処理」のため翠玲...